日本遺産「葛城修験」
里人とともに守り伝える修験道はじまりの地
令和2年6月12日、
かつらぎ町など19市町村にまたがるストーリーが、日本遺産に認定されました。
町内の構成文化財を紹介します。
日本遺産とは
地域の誇る文化財によって語ることのできる、魅力のあるストーリー。
地方自治体が文化庁から認定を受け、その魅力を活かした様々な事業を展開していく制度です。
現在、全国で104件のストーリーが認定を受けています。
STORYストーリー
和泉山脈から金剛山地までの一帯は、古くから「葛城」と呼ばれます。
修験道 の開祖と言われる 役 行 者 がはじめて修行を積んだこの地は、世界遺産の吉野・大峯と並ぶ「修験の二大聖地」と称されています。
そしてその修行にはいつの時代も、周辺に暮らす人々との深いつながりがありました。 行 場 である 宿 には、経典を埋めた 経 塚 があり、役行者が埋納したとされる葛城二十八宿が有名ですが、村の信仰を集めるお堂等にも、修験者が立ち寄った記録等が遺されています。
葛城修験
大陸起源の仏教や道教と、日本古来の山岳信仰とが融合して生まれた宗教を修験道と言い、役行者を開祖とし、山岳修行によって悟りを開くことを目的とします。
役行者が最初に修行したとされる葛城の地における修行や行場を総称して「葛城修験」と呼びます。
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葛城二十八宿第十三番経塚かつらぎにじゅうはっしゅくだいじゅうさんばんきょうづか
向い多和勧持品 といわれる経塚です。
「大日如来」と刻まれた和泉砂岩の石碑があります。 -
神野阿弥陀堂こうのあみだどう
堂内には 護摩札 があり、また、建物自体にも修験者のものと思われる墨書が残されています。(国登録有形文化財)
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葛城二十八宿第十二番経塚かつらぎにじゅうはっしゅくだいじゅうにばんきょうづか
護摩 のたわ 朴留提婆達多品 といわれる経塚です。仏の教えの前や修行の中では皆平等だと説きます。
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堀越癪観音ほりこししゃくかんのん
役行者が母の 癪 病 平 癒 の為彫ったとされる十一面観音菩薩が本堂に鎮座。毎年5月3日の 躑躅 祭では、護摩焚き等が行わ、多くの参詣者が訪れます。
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丹生都比売神社境内にうつひめじんじゃけいだい
高野山系修験の葛城 入 峰 は、天野-吉野-熊野-葛城を巡る広大なものでしたが、天野では、丹生明神を 笈 に移す「吹き送り」があり、この笈を背負って山中修行に入りました。
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天女山正楽寺てんにょさんしょうらくじ
修験道の大きな宗教的権威の一つである京都の 聖 護 院 宮 が、役行者1150回忌法要の帰途に立ち寄り、里人から昼食が献じられました。
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葛城蔵王権現社かつらぎざおうごんげんしゃ
7世紀末、役行者が修験道の行所を開いたところと言われています。4月に開催される春の例大祭では、各地より信者が集まり、 玉串 奉納、護摩供養、盛大な餅まきが行われます。